転職、異動、病気、結婚、子育て、コロナ禍、そしてAIの急速な進化…。
私たちを取り巻く環境は、常に変化しています。

前回ご紹介した「プランド・ハプンスタンス理論」は、「偶然を活かす」という考え方でした。
今回は、その考え方にも通じる「キャリア・カオス理論」をご紹介します。

キャリアは計画どおりに進まない

キャリア・カオス理論では、「将来は予測できない」ということを前提にしています。

もちろん目標を持つことは大切です。
しかし、どれだけ綿密な計画を立てても、人生には予測できない出来事が必ず起こります。
だからこそ、「計画どおりに進める力」よりも、「変化に対応する力」のほうが重要だと考えるのです。

この理論を説明するときによく使われるのが、「バタフライ効果」という考え方です。

もともとは気象学者のEdward Lorenzが発見した現象です。

天気予報を計算していた際、入力データをほんの少し変えただけなのに、結果が全く違ってしまうことに気づきました。
そこから「ブラジルで蝶が羽ばたくと、テキサスで竜巻が起こるかもしれない」という有名な例えが生まれました。

小さな出来事が、時間をかけて思いもよらない大きな結果につながることがある、という例えです。

風が吹くと桶屋が儲かる」と似てなくもないですが、「桶屋」の話は一応因果関係が一本のストリートして説明ができます。一方、バタフライ効果は、複雑系の理論であり因果はほとんど説明ができず、何が起こるかわからないという考え方がベースにあります。

種まきは手を抜かずに

具体的にはどんなことが考えられるのでしょうか。

例えば、たまたま参加した交流会で隣に居合わせた人と何気なく交換した一枚の名刺、たまたまとった一本の電話、自分の想いを書いただけの一本のブログ、たまたま手にした一枚のチラシなどを起点として、様々な要因が絡み合い大きな変化が起きるようなケースです。

振り返ってみると、「あれが転機だった」と思える出来事は、意外と些細なことだったりします。そこに何か深い意味や狙いがないようなことが、数年後に大きな仕事や出会いにつながることがあります。

独立してから、商工会議所への入会、研修会への参加、社労士の先生方との出会い、研修の実施、コワーキングスペースでの交流などを通じて、多くの新しいご縁をいただいています。関連する公的施設もいくつか訪問し情報交換も始めています。

正直なところ、今すぐ仕事につながるものばかりではありません。
どの出会いが数年後の大きな仕事につながるのかは、今は誰にも分かりません。

今できることは、一つひとつのご縁を大切にしながら、目の前の行動を積み重ねることしかありません。

プランドハプンススタンス理論との違いは

前回書いたプランドハプンスタンス理論との違いはどう説明できるでしょうか。

プランドハプンスタンスは、偶然を取りに行く努力をしようという感じでしょうか。
つまり偶然を味方につけるために種をまき続けようという考え方。いわば行動論です。

一方、バタフライ効果は、結果なんて誰もわからないんだから種をまき続けるしかないよねということです。いわば世界観です。
同じ種をまくという行動でも、微妙にニュアンスが異なる気がします。

キャリアカオス理論の世界観、つまり「世の中は何が起こるかわからない」という考え方をもっていれば、必然的に偶然を味方につけるような行動が身につくということかもしれません。

要は、結果を考えずになんでもやってみればいいし、失敗だったとしてもその失敗が数年先に大きな成果に結びつくようなこともあるということなんだと思います。

このキャリアカオス理論の世界観をもち、偶然を取りに行くプランドハプンス理論をベースとした行動をとっていればいつの日かチャンスは訪れるはずである、といいうのが今回のお話です!