今回から数回にわたり、キャリア理論について書いてみようと思います。
キャリアは偶然によりつくられる
キャリアコンサルタントの勉強をしていると、さまざまな理論が登場します。
その中でも人気が高いのが、クランボルツの「プランドハプンスタンス理論(計画的偶発性理論)」のような気がします。
この理論をひと言で表すなら、
「キャリアは計画だけでなく、偶然によってつくられる」
という考え方です。
クランボルツは、キャリアの約8割は予期しない出来事や出会いによって形成されると考えました。だからといって偶然を待つのではなく、変化を受け入れ、新しいことに挑戦することでチャンスを広げていこうという話です。「計画的」というのはそういうことでしょう。

理論では、
- 好奇心
- 持続力
- 柔軟性
- 楽観性
- 冒険心
の5つが大切だとされています。
なぜこの理論が支持されるのか
おそらく多くの人が、「自分の人生もそうだった」と思うからではないでしょうか。
誰もが計画通りにキャリアを歩めるわけではありません。
実際、自分自身も55歳を過ぎて独立し、こうして自分のホームページで好きなことを書いている姿など想像したこともありませんでした。
30歳代の頃は定年まで勤めるものだと思っていましたし、「産業カウンセラー」や「キャリアコンサルタント」という仕事も知りませんでした。
ましてや独立など、自分とは無縁の世界だと思っていました。
振り返ると、すべては偶然の積み重ねだった
直接のきっかけは「産業カウンセラー養成講座」を受けたことでした。
しかし、そこに行きつくまでにもいくつもの出来事がありました。
職場への違和感、母親の体調不良、少年野球の監督就任、地域限定職制度の創設などです。
(このあたりは、本ブログ「Neutral Zoneが生まれるまで」に書いております)
それぞれは別々の出来事ですが、それらが重なり、「仕事だけではない人生」に目を向けるようになりました。
とはいえ、その時点でもまだ「カウンセラー」は自分の中に1ミリもありませんでした。
当時、全身全霊を傾けていたのは少年野球の監督という新しい自分の役割でした。
「カウンセラー」という言葉との出会い
カウンセラーという仕事を意識したのは、当時一緒に仕事をしていたある女性との出会いがきっかけでした。
彼女は、とても優秀で努力家で負けず嫌いな人でした。仕事と育児の両立に悩みながら毎日を必死に頑張っていました。
その姿を目の当たりにして、自分も上司として、わからないなりに必死で向き合いました。
彼女には、職業人としての可能性も母親としての人生も諦めてほしくなかったからです。
ある時、その方がこんなことを言ってくれました。
「課長はカウンセラーになれるんじゃないですか」
本人は覚えていないかもしれませんし、お世辞だったかもしれません。
でも、その言葉が自分にとっては初めて「カウンセラー」という仕事を意識した瞬間でした。
偶然を活かすということ
振り返ると、自分の人生も偶然の連続でした。
ただ、その偶然は突然降ってきたわけではありません。
目の前の出来事に正面から向き合い、人との出会いを大切にし、その時々でできることを目一杯やってきた結果だったようにも思います。
微妙な違いはあるかもしれませんが、クランボルツの言う
「好奇心」
「柔軟性」
「持続力」
は、知らないうちに身についていたのかもしれません。
ただ、残りの「楽観性」「冒険心」については、自分には欠けている要素だと思っています。
そこは、「準備は大きく」というの自分の信念が勝ってしまいます。
おかげで、キャリアチェンジまで、34年もかかってしまいました😊
キャリアは理論どおりにはいかない
キャリア理論は人生を理解するヒントを与えてくれます。
しかし、人の人生は理論どおりには進みません。
だからこそキャリアは面白いし、一人ひとりのキャリアは唯一無二なのだと思います。
振り返ると、人生を変えたのは大きな決断よりも、小さな偶然の積み重ねでした。
もし今、自分の進む道に迷っている方がいたら、まずは目の前の出来事や出会いにもう一度関心(好奇心)を向けてみるのもいいかもしれません。そこに次のキャリアの種が隠れているかもしれません。


